アメリカを訪れている宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官は現地時間の30日、ワシントンでアメリカのマティス国防長官と会談し、韓国軍が保有するミサイルの弾頭の重量を制限しているミサイル指針の見直しに向けた議論を加速することで一致しました。
両長官は会談後、共同報道文を発表し、「両国は会談で、韓米同盟による緊密な協力を再確認し、これまで議論を続けてきたミサイル指針の見直しをめぐる韓米間の協議を加速することにした」と述べました。
この韓米ミサイル指針は、韓国が2012年にアメリカとの交渉によって改定したもので、韓国の弾道ミサイルの最大射程距離を800キロ、弾頭重量を500キロに制限しています。
韓国軍は、北韓の地下の核・ミサイル施設や有事の際に北韓指導部の隠れ場所となる地下バンカーを破壊するには、弾頭重量が1トン以上でなければならないと判断していて、韓米ミサイル指針の見直しを進めているとされています。
また、両長官は、北韓の相次ぐミサイル発射を非難し、韓米連合防衛態勢を強化することを再確認し、北韓のミサイルの発射兆候を探知して先制攻撃する韓国の防衛システム、「キルチェーン」、発射されたミサイルを迎撃する「韓国型ミサイル防衛(KAMD)」を引き続き発展させていくことにしました。
さらに両長官は、アメリカからの戦時作戦統制権の早期移管で共感を示し、ことし10月にソウルで開かれる韓米定例安保協議(SCM)で議論を詰めていくことにしました。
一方、マティス国防長官は会談前に、「我々は外交的解決を決してやめていない」と述べ、同じ日、自身のツイッターで、「北韓との対話は解決策ではない」と明らかにしたトランプ大統領と異なる立場を示しました。