朴槿恵(パク・クネ)前大統領が16日、裁判所が自らの拘束期間を延長したことと、裁判そのものに対する心境を語り、「政治報復であり、今後の裁判における判断も認めない」との考えを明らかにしたことは、政界にも波紋を広げています。
朴大統領が、事実上裁判を放棄し、政治闘争を宣言したことで、最近、目立つようになっていた保守勢力の統合の動きに少なからぬ影響を与えるものとみられています。
朴前大統領が所属している保守系野党「自由韓国党」は、朴前大統領の離党を前提に、保守系の第3野党「正しい政党」との統合に関する議論を進めてきました。
ところが、朴前大統領が事実上政治闘争を宣言したことで、朴前大統領に近い党内の一部勢力は、「朴前大統領の離党を指導部が決めてはならず、議員総会を開いて議論すべきだ」としています。
しかし、「正しい政党」との統合を推進すべきとする党内勢力は、朴前大統領と朴前大統領に近い主な議員の離党が実現しなければ、朴前大統領を批判する「正しい政党」との統合の大義名分がなくなるとしています。
これに関連し、「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は、朴前大統領の離党を予定通りに推進するとしています。
しかし、朴前大統領の政治闘争のメッセージに刺激された朴前大統領の支持者が結集し、自由韓国党の方針に強く反発する可能性もあります。
保守勢力の再編は、来年の地方選挙にも大きな影響を与えることから、保守勢力がどのような決断を下すのか注目されます。