三星グループの経営権継承に不可欠だったとされるグループ系列会社の三星物産と第一毛織の合併について、裁判所は19日、「問題がなかった」と判断しました。
この事件は、2015年9月に行われた三星物産と第一毛織の合併について、三星物産の株主だったイルソン新薬と一部の小口株主が、合併の目的が不当で、なおかつ合併比率が第一毛織に有利に決められたとして、合併の無効を求めて訴えを起こしたものです。
裁判所は、判決のなかで、「合併の目的は不当ではなく、違法でもない」と判断しました。また、「合併比率が一部の株主に著しく不利であるとみることはできない」とし、結果的に合併を無効にするほどの問題はないと判断、イルソン新薬の無効請求を棄却し、原告敗訴としました。
三星物産と第一毛織の合併をめぐっては、文亨杓(ムン・ヒョンピョ)前保健福祉部長官が、合併に賛成するよう大株主であった国民年金管理公団に圧力をかけたとして職権乱用の罪などで起訴され、ことし6月に懲役2年6か月の実刑判決が言い渡されました。
また、三星電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、朴槿恵(パク・クネ)前大統領と長年の友人、崔順実(チェ・スンシル)被告による国政介入事件に絡み、贈賄の疑いで一審で実刑判決を言い渡されましたが、三星物産と第一毛織の合併を後押しするよう個別に要求した疑いは認められませんでした。