工事を中断して政府の判断待ちをしていた慶尚北道蔚山(ウルサン)の新古里(シンゴリ)原発5号機と6号機は建設が再開される方向になりましたが、政府は、「脱原発」の基調に変化はないとする方針を改めて示しました。
原発を建設している韓国水力原子力は、安全性などを理由に脱原発と再生可能エネルギーへの転換を主張する文在寅大統領の意向を受けて、社会的コンセンサスを得るため新古里原発5号機と6号機の建設工事を今年7月から中断していました。
しかしすでに工事が30%ほど進んでいたことなどから、建設の是非を議論していた政府の諮問委員会は20日、世論調査を受けて建設の「再開」を勧告し、これを受けて24日の閣議で建設再開を決める見通しです。
韓国で現在、建設が進められている原発は、出力がいずれも140万キロワット級 の新古里原発5号機と6号機を含めて全部で5基ありますが、新古里原発5号機と6号機以外は工事がほぼ完成した状態です。
しかし、政府は新しく建設する予定だった6基については計画をすべて白紙化し、現在25基ある原発も、原則的に寿命の延長はしない考えです。
この方針によりますと、2030年までに寿命を迎える原発10基のうち、ことし2月に運転を10年間延長した慶州(キョンジュ)市の月城(ウォルソン)原発1号機を除いて、新古里原発5号機と6号機が完成する2023年以降は、毎年1基以上、運転を終了することになります。