韓中関係が新しい局面に入る見通しとなっています。
これまでの韓中関係が、近いか、遠いかに焦点を当てた「総論外交」だったとすれば、これからの韓中関係は、政治、安全保障、経済、歴史など、分野ごとに切り離してアプローチする「各論外交」の時代になる見通しです。
31日に両国が発表したアメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」をめぐる合意は、両国の「各論外交時代」の幕開けを宣言するもので、大義名分にとらわれず、実益を追求する方針へと大きく切り替えることを示すものとして受け止められています。
両国の協議の結果、サードをめぐる双方の意見の隔たりが埋まったわけではありません。重要なのは、サードの韓国配備がもたらした、あらゆる分野における両国間の外交断絶を修復させることで一致したことです。
31日に発表された協議結果の中で、両国は韓中関係を重視し、韓中戦略的協力パートナー関係の発展を目指していくとしています。また、韓中の交流協力の強化が双方の利益になるとの認識で一致し、あらゆる分野での交流・協力で正常な発展の軌道を速やかに回復させていくとしています。
サードの韓国配備については、これまで通りに議論を続ける一方で、ほかの分野での交流・協力は、サードとは切り離して進めていくという意志が示されたのです。
これについて、外交専門家は、 「両国の間で、外交・安全保障の事案と経済問題を切り離して対応する関係が始まったとみられる」と評価しています。