東南アジアを歴訪中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、APEC=アジア太平洋経済協力会議首脳会議が開かれるベトナムのダナンに入ります。
文大統領は、10日から2日間開催されるAPEC首脳会議に出席し、経済成長や統合などをテーマに、新政権の政策ビジョンを発表する予定です。
中国の習近平国家主席との首脳会談も行います。
両国が関係改善に向けて取り組むことで合意して以来、初めて行われる首脳会談で、両国関係の正常化に向けた方策や北韓の核問題の解決に向けた方策などについて意見を交わすものとみられています。
これに先立って、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、インドネシアのジャカルタ市内のホテルで開かれたインドネシア在住の韓国人310人あまりとの懇談会に出席し、インドネシアをはじめとするASEAN=東南アジア諸国連合各国との関係をアメリカ・中国・日本・ロシアの4大国並みに格上げする内容の「新南方政策」を発表しました。
多様な分野における経済協力により、ASEANとの貿易規模を2020年までに現在の中国との貿易並みの2000億ドルに拡大するとしています。
これは、貿易の多角化により、中国市場への依存度を下げ、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」に反発する中国の報復措置で韓国経済が大きな打撃を受けるような事態が再発するのを防ぐ狙いがあるものとみられています。
文大統領は、そのあと、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と首脳会談し、両国関係をこれまでの「戦略的パートナーシップ関係」から「特別な戦略的パートナーシップ関係」に格上げすることで合意しました。
一方、先の韓米首脳会談で、トランプ大統領が日米が主導して実現を目指す「自由で開かれたインド太平洋戦略」への韓国側の関与を求め、これを文大統領が受け入れず、韓米の間で不協和音がみられると伝えられていることについて、大統領府青瓦台は10日、「可能な協力策を模索する」と述べました。