李明博(イ・ミョンバク)政権時代に、軍のサイバー司令部が野党候補を批判するコメントをネット上に書き込むなどの方法で政治に介入した事件を再捜査している検察は11日未明、当事の金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官(68)を逮捕しました。軍刑法では、軍人の政治への関与を禁じています。
金寛鎮容疑者は、李明博政権から朴槿恵(パク・クネ)政権にかけておよそ3年半、国防部長官を務め、その後、さらに3年間、朴槿恵政権で大統領府青瓦台の国家安全保障室長を務めました。
検察は、金容疑者が、2010年から2012年にかけて野党候補を批判するコメントをネット上に書き込むよう指示し政治介入した容疑で8日逮捕状を請求していました。
金容疑者は、また、国防部が2012年、要員を増やして活動を強化した際、当時の野党の地盤である地域の出身者を避けて選抜させたとして、職権乱用の疑いも出ています。
金寛鎮容疑者は、検察の調べに対して、サイバー司令部を動員したネットへの書き込みや政府寄りの要員を選抜したことについて、李明博元大統領の指示を受けていたと供述したということです。
このため李明博元大統領に対する検察の捜査が避けられなくなりました。
李明博元大統領は講演のため12日、中東に向けて出発する予定です。
軍のサイバー司令部は、李明博政権が、敵のサイバー攻撃から韓国軍の情報などを防衛するためとして2010年に発足させたものです。