中国の習近平国家主席は11日に韓国の文在寅大統領と会談した際、THAAD=高高度迎撃ミサイルシステムについて懸念を表明したことが分かりました。
中国の新華社通信は会談後、習近平国家主席が「韓国が中国の重大な懸念に注意を向け、両国関係発展の障害を取り除くことを望む」と述べ、THAADの韓国配備に反対する姿勢を明確にしたと伝えました。
韓国大統領府青瓦台は当初、「首脳会談でTHAADの問題は議題として取り上げない」としていました。
大統領府青瓦台の関係者は新華社通信の報道について、「中国側の既存の立場を再確認したもので、先月末の発表した両国関係改善に向けた共同声明の内容と大きく変わらない」との立場を示しました。
この問題については、問題を棚上げしただけだとする指摘がある一方、最終的な解決を前提に双方がそれぞれの立場を明確にしたもので、12月の韓中首脳会談ではこの問題は扱わないだろうとする指摘もあります。
文在寅大統領は13日に訪問先のフィリピンで中国の李克強首相と会談し、経済協力の拡大などについて意見を交わす予定で、その結果に関心が寄せられています。