朴槿恵(パク・クネ)前政権当時に情報機関、国家情報院が大統領府青瓦台に裏金を上納していた事件で、ソウル中央地方検察庁は17日、元国家情報院長の南在俊(ナム・ジェジュン)氏(73)と 李丙琪(イ・ビョンギ)氏(70)を贈賄などの疑いで逮捕しました。
検察当局は、国家情報院が朴政権時代、使い道を明らかにする必要がない「特殊活動費」を流用する形で青瓦台に総額およそ40億ウォンを送金していたと判断し、ソウル中央地方裁判所に逮捕状を請求していました。
このうち、李丙琪氏は毎月5000万ウォンだった送金額を1億ウォンに増やした疑いをもたれ、14日に検察に緊急逮捕され、身柄を拘束されていました。
一方、同じく元国家情報院長の李炳浩(イ・ビョンホ)氏の逮捕状請求は逃走や証拠隠滅の憂慮がないとして棄却されました。
李炳浩氏は、逮捕状の審査で、朴前大統領から直接要求を受けて特殊活動費を渡したと述べており、朴前大統領の関与を認めた初めての証言となっています。
検察は、上納金が最終的に渡った先と疑われる朴前大統領に対する捜査を近く始めることを検討しています。
一方、李丙琪氏は、朴被告の最側近とされる経済副総理兼企画財政部長官を務めた崔炅煥(チェ・ギョンファン)議員にも1億ウォン以上を渡したと供述しています。
また、イ・ホンス前国家情報院企画調整室長も、検察の事情聴取で、「国家情報院の予算を確保するため、当時経済副総理兼企画財政部長官だった崔炅煥氏に特殊活動費を渡すよう李丙琪氏に提案した」と供述しているということです。
これについて、崔炅煥氏は、事実無根だとしています。
検察は、近く崔炅煥氏を呼び、調査する方針です。