韓国南東部の慶尚北道浦項(ポハン)市で15日午後起きたマグニチュード5.4の地震は、去年9月、近くの慶尚北道慶州(キョンジュ)市で起きたマグニチュード5.8の地震に比べてはるかに小さいにもかかわらず、けが人の数など被害は慶州を大きく上回っています。
けが人の数は、去年の慶州地震は23人だったのに対して、浦項地震では、17日現在で3倍を超える77人になっています。
また家屋などの被害は、慶州地震は1115件でしたが、浦項地震ではすでに1300件の申告が出ています。
その原因について専門家は、慶州地震の場合、断層面を境として両側の地盤が水平方向に動く「横ずれ断層」による地震だったのに対して、今回の浦項地震は、一方の地盤が他方の地盤の上に乗りあげる「逆断層」による地震だったため、地層を垂直に動かすことになり、衝撃が大きくなったと分析しています。
また、慶州地震は地表面から15キロメートルの深さで発生したのに対し、浦項地震はこれよりはるかに浅い9キロメートルの深さの地層で発生し震源が浅かったことが被害を大きくした原因だとしています。
さらに、人口密集度が慶州より高かったことも原因の一つに挙げられています。
慶州地震の震央だった慶州市内南面(ネナムミョン)は、122平方キロの面積に5181人が暮らす農村でしたが、今回の浦項地震の震央、浦項市興海邑(フンヘウプ)は、105平方キロに3万5千人が暮らす小都市で、震央地が韓東大学などがある市街地から遠くない場所でした。
専門家らは、去年から韓半島で地震が頻繁に発生していることから韓国も地震の安全地帯ではないとして、徹底した地盤調査や安全対策が必要だとしています。