韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官と中国の王毅外交部長が22日、北京で会談し、来月中旬に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国賓として中国を訪れることで合意しましたが、これが両国関係に大きな進展をもたらすと期待されています。
韓国と中国は、ことしが国交樹立25年目となりますが、8月に両国で別々に開かれた記念行事には、首脳や外相の相互訪問も行われず、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備をめぐる韓中の対立がいかに深いかを示していました。
しかし、国交樹立25周年の年が暮れる前に、文大統領が国賓として中国を訪れることになり、韓中関係のより一層の改善に期待が寄せられています。
また、両国の外相が、北韓問題の平和的な解決の立場や韓半島情勢の安定的な管理の必要性、来年の平昌冬季オリンピックの平和的開催に向けての協力、韓半島の緊張を和らげるための環境づくりでの協力などで一致したことは、韓半島情勢に前向きに働くとみられます。
韓国と中国が、アメリカと北韓の隔たりを縮める努力を、アメリカと北韓に対してそれぞれできるという期待も出ています。
しかし、韓国政府が、中国との関係改善のため「サードの追加配備を検討しない」「アメリカのミサイル防衛システムに参加しない」「韓日米3か国の安保協力が軍事同盟に発展することはない」という3つの言及をしたことについて、中国が「約束」とみなして、履行を公式に求めていることは、懸念材料となっています。
韓国は、「約束」はしていないと明らかにしましたが、中国が言及を続ける場合、中国が韓国の安全保障の主権に関与しようとしているという批判が韓国国内で持ち上がり、サードの韓国配備をめぐる対立の収拾が適切だったかどうかが、新たな争点となる可能性があると外交専門家らはみています。