旅客船セウォル号の船内で今月17日、人骨とみられる骨が見つかった事実を22日になって公表したことで浮上している隠蔽の疑惑について、海洋水産部が23日、1回目の真相調査の結果を発表しました。
それによりますと、海洋水産部のセウォル号現場収集本部の責任者らが事前に話し合って、公表しないよう指示していたということです。
人骨と見られる骨は17日午前、セウォル号の船内から回収された泥を洗浄していたところ見つかり、現場で、人骨とみられるという1次鑑定結果を受けましたが、21日になって行方不明者の家族と船体調査委員会に知らせ、22日に国立科学捜査研究院に送っています。
セウォル号沈没事件では、いまだ5人が行方不明となっています。
当時、セウォル号が引き揚げられた木浦港で遺骨の発見を待っていたこの5人の家族らは、16日に木浦港を去ると表明し、18日から3日間、葬儀を行うことになっていたため、政府が、行方不明者の家族が撤収するまで意図的に隠そうとしたのではないかとして、隠蔽の疑惑が持ち上がっています。
これについて金栄春(キム・ヨンチュン)海洋水産部長官は、「セウォル号現場収集本部の責任者らは、すでに遺骨の一部が見つかった犠牲者のものだと判断し、公表によって葬儀の日程に混乱を招き、家族らに苦痛の時間を長引かせるのはいけないと思ったらしい」と説明し、行方不明者の家族や国民に謝罪しました。
金海洋部長官は、人骨が見つかったことについて、20日になって報告を受け、報告の遅れを叱咤し、マニュアルどおりの公表を指示しましたが、それもただちに実行されなかったとされます。