回復の見込みのない重病の患者が自らの意思で過剰な医療行為を拒み、自然な死を迎える「尊厳死」を選択する人が増えています。
保険福祉部や医療界によりますと、「延命治療決定」のモデル事業がことし10月23日に開始されてから43日目となった今月4日の時点で、延命治療計画書を作成した人は3000人を超えたということです。
尊厳死については、生命倫理に反するなどの理由で賛否両論が起きていましたが、人間としての尊厳を保って死に臨むことが重要だという考え方から、患者の意思表示がある場合に限って尊厳死を認める「延命医療決定法」が今年1月に国会で成立し、合法化されました。
保健福祉部は、来年1月15日にモデル事業が終わり、来年2月4日から「延命医療決定法」の施行が本格化すれば、「延命治療計画書」に署名する人はさらに増えるとみています。
「延命治療計画書」は、回復の見込みのない状態に陥った際、心肺蘇生を行うこと、人工呼吸器を装着すること、血液の透析を行うこと、抗がん剤を投与することの4つの延命治療を受けないとする意思をあらかじめ表示した1枚の書類で、19歳以上の成人が、専門家との相談を経て、作成できます。
保健福祉部は、「延命医療決定法」の施行後、「延命治療計画書」の登録機関として保健所や非営利団体などの参加を促すことで、一般国民がよりアクセスしやすくする方針です。