朴槿惠(パク・グネ)前政権が、旅客船セウォル号の沈没原因などを究明する「セウォル号特別調査委員会」の活動を組織的に妨害したとする疑惑が一部事実と確認されました。
海洋水産部監査室は12日に緊急会見を開き、セウォル号特別調査委員会の活動妨害疑惑について9月末から行ってきた調査の結果を発表しました。
それによりますと、朴槿惠前政権時代の海洋水産部の職員らは、当時の大統領府青瓦台の関係者らと話し合い、委員会の調査期間を縮小したり、委員会の活動を妨害するための対応指針などをまとめていたということです。
具体的に「セウォル号特別調査委員会の活動期間は1年6か月が妥当だ」とした法制処からの法律勧告を無視して、活動期間を縮小させて調査をおよそ1年で終わらせました。
また、セウォル号が沈没した2014年4月16日、当時の朴槿恵大統領が7時間にわたり姿を現さず、青瓦台の救助指揮機能が事実上まひした事故当日の「空白の7時間」について、特別委員会が調査しようとしたところ、特別委員会の活動を妨害するための対応指針を当時の海洋水産部が青瓦台と話しあって作成したことも明らかになりました。
この対応指針は、特別委員会内部で与党推薦の委員全員が辞退を表明し、委員会の運営を批判する声明を発表することや、海洋水産部と与党が緊密に情報を共有する内容などが盛り込まれています。
海洋水産部は、この疑惑に関わったとみられる職員10人について、検察に捜査を依頼していて、当時の長官や次官だけでなく、前政権の青瓦台関係者らも捜査の対象になる見通しです。
ただ、海洋水産部は、当時の青瓦台がセウォル号の引き揚げを意図的に遅らせたとする疑惑については、調査期間が短かったため真相究明に限界があったとして、今回新たに発足する72期目のセウォル号特別調査委員会 と積極的に協力するとしています。