アメリカのFRB=連邦準備制度理事会がことし3回目となる利上げに踏み切ったことを受けて、韓国政府が市場の変化を見守りながら、先行して対応する方針を明らかにしました。
韓国企画財政部の高炯権(コ・ヒョングォン)第1次官は14日、ソウル市内で開かれた第54回マクロ経済金融会議で、「今後のアメリカの利上げのスピードについては、不確実性がかなり大きく、関係当局は、市場の変化に先行して対応する」と述べました。
また、「アメリカの利上げによる市場の不安は大きくないが、今後物価上昇など、変動性が拡大する恐れがある。FRBは、利上げとともに資産の縮小も並行していて、これが長期金利に影響を与える可能性がある」と指摘しました。
高次官は、「ことしの韓国の経済成長率の見通しが3%台になることが確実視されるなど、堅調な成長が続いているが、安定的な成長を続けるためには、リスク管理が大事だ」と強調し、「主要国の動きや市場の変化を注意深く見守るほか、外国為替の健全性を測り、リスク要因を確認する」としました。
一方、韓国銀行が先月末、6年5か月ぶりに政策金利を引き上げたのに続いて、FRBも来年金利を3回引き上げることを示唆したことから、韓国の貸し付け金利の上昇ペースは、さらに速まるものとみられます。
韓国の政策金利がアメリカの政策金利より低くなる「韓米間政策金利の逆転現象」が起きれば、韓国市場から外国資本離れが進む恐れがあるため、韓国銀行は来年2回にわたって政策金利の引き上げに踏み切るものとみられています。
これは、現在1400兆ウォンを超える家計負債の利子負担につながりかねません。