政府から独立して捜査する特別検察官は19日、朴槿恵(パク・クネ)前政権を批判的とみなす芸能人や文化人らを掲載した「ブラックリスト」を作成し、支援対象から外すなど圧力を加えたとして職権乱用や強要などの罪に問われた、朴前大統領の最側近で元大統領秘書室長の金淇春(キム・ギチュン)被告に対し懲役7年を、同じくブラックリストづくりなどに関わった罪に問われた前文化体育観光部長官の趙允旋(チョ・ユンソン)被告に対し懲役6年を求刑しました。
金被告らは、韓国文化芸術委員会、映画振興委員会、韓国出版文化産業振興院などに対し、朴政権と見解が異なる芸術家や団体に補助金が支給されないよう強要した罪などに問われていて、7月に行われた1審では、金被告に懲役3年の実刑判決が、趙被告には懲役1年、執行猶予2年の判決がそれぞれ言い渡されました。
ソウル中央地方裁判所で19日に開かれた控訴審公判で、特別検察官は金被告に対し懲役7年、趙被告に対し懲役6年をそれぞれ求刑しました。
求刑は、一審と同じとなっています。
特別検察官は、「2人の被告は、この30年間国民が守ってきた民主主義を破壊した」と指摘しました。
二審での最大の争点は、朴前大統領との共謀が認められるかどうかです。
一審では、「大統領は、保守主義を標榜して当選し、保守主義を支持する国民を支持基盤としている。大統領が、文化芸術界の支援事業において、進歩派への支援を縮小し、保守派への支援を拡大したことは、憲法や法令に違反するとみることはできない」と判断しています。