アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備に対する報復措置として韓国への団体旅行を禁じていた中国政府が先月、一部解禁としましたが、再び韓国への団体旅行を禁じる動きが出ています。
山東省の済南、青島など4都市は最近、旅行各社に、年明けから当分の間、韓国への団体旅行商品を販売しないよう通知しました。
解禁直後、最初に韓国旅行に出かけた北京の団体旅行客らが、中国国内で大きく非難されたことから、北京当局は今月19日、この旅行商品を販売した旅行代理店に対して韓国への団体旅行商品の取り扱いを禁止としました。このため、ほかの旅行会社も販売を相次いで中止しています。
しかし、これに対して中国外交部は、「政府としては、韓中交流に積極的に臨んでいる」とする立場を繰り返し表明しています。
韓国外交部は21日、「中国の外交当局が、事実とは異なるという立場を表明しているだけに、動向を見守りながら対応していく」という方針を明らかにしました。
これについて、韓中首脳会談をきっかけに、中国人の韓国旅行熱が高まっていることから、中国政府が、スピードの調整を行っているのではないかとする見方が出ています。
中国政府は、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓国配備決定に反発し、ことし3月、自国内の旅行代理店に対して韓国への団体旅行商品の取扱いを禁止する措置を取っていましたが、両国関係が改善に向かったことから先月末、北京と山東省に限って、解禁としていました。