李明博(イ・ミョンバク)元大統領は17日、ソウル江南の事務所で声明を発表し、側近に対する最近の検察の捜査について、「捜査が最初から私を標的としていることは明らかで、政治報復だ」と反発しました。
検察は、16日深夜から17日未明にかけて、李明博元大統領の側近で李政権当時、大統領府の総務企画官などを務めた金伯駿(キム・ペクチュン)容疑者と、民情秘書官だった金鎮模(ジンモ)容疑者を収賄などの疑いで逮捕しています。
検察によりますと、金伯駿容疑者は、在任中に情報機関の国家情報院からおよそ4億ウォンを、金鎮模容疑者はおよそ5000万ウォンをそれぞれ不正に受け取っていた疑いが持たれています。
李明博元大統領は声明の中で、「過去の「弊害清算」として進められている検察の捜査について、多くの国民が保守の壊滅を狙った政治工作であり、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の死に対する政治的報復だとみている」と述べました。
李明博元大統領はさらに、「退任後の5年間、4大河川の整備や資源外交などについて数件の捜査が行われたが、政府高官が絡む権力型の不正はなかった」と強調し、「疑惑があれば、私に対して責任を問えばいい」と述べました。
李元大統領が検察の捜査について自らの立場を表明するのは去年11月以降2か月ぶりで、側近の金伯駿容疑者と金鎮模容疑者が逮捕されたことを受けて、参謀らと議論したうえで決めたもようです。