北韓が、平昌冬季オリンピック期間中に韓国で公演を行う北韓の「三池淵(サムジヨン)管弦楽団」の移動経路を、当初提案していた「板門店」から「京義(キョンイ)線陸路」に変えたことについて、利便性のほかに、開城(ケソン)工業団地の操業再開に向けたシグナルを送るためだという見方が出ています。
北韓は、板門店を通じて芸術団を派遣すると15日、伝えていましたが、韓国を訪れた「三池淵管弦楽団」の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長ら事前視察団が北韓に帰った直後の23日、京義線陸路での移動に変えました。
京義線陸路は、開城(ケソン)工業団地に行き来するために2003年に開通された道路で、おととし2月の工業団地の操業停止以来、閉鎖されましたが、今月21日の事前視察団の訪問によって再び開かれました。
北韓が移動経路を京義線陸路に変えたことについて、専門家らは、京義線陸路は4車線で道路が広く、140人からなる芸術団が移動するのに便利だということ、また、板門店の場合、国連軍司令部の承認が要るため、手続き上、京義線陸路の方が便利だということを理由に挙げています。
さらに、開城工業団地を通ることで、操業再開に向けたシグナルを送る狙いがあるという見方も出ています。