アメリカのホワイトハウスは、北韓の核・ミサイル施設に対して制限的な先制攻撃を加える、いわゆる「鼻血(ブラッディ・ノーズ)作戦」は存在しないと述べました。
アメリカ連邦議会上院の民主党のシャヒーン議員と共和党のリッシュ議員は、現地時間の15日に開かれた国務省高官の指名公聴会で、ホワイトハウスの当局者の話として、これを明らかにしました。
リッシュ議員によりますと、ホワイトハウス当局者が14日に超党派の議員を対象に行った状況説明で鼻血作戦について「検討したことも、そのような用語を使ったこともない」と述べたということです。
鼻血作戦は、対北韓政策でタカ派といわれるホワイトハウスの国家安全保障担当のマクマスター補佐官が推し進めたものといわれていて、この作戦の実施を支持する意見がホワイトハウスの一部にあることをうかがわせる報道があったほか、トランプ政権が駐米大使への起用を検討していたビクター・チャ氏の指名を白紙に戻したのも、チャ氏が鼻血作戦に懸念を示したことが原因だと報じられていて、鼻血作戦が実際に行われるのではないかとする懸念が高まっていました。
しかし、今回、ホワイトハウスがこの作戦の存在自体を否定したことで、トランプ政権が当分の間は、北韓の核問題を外交的手段で解決するという意志を示したものと受け止められています。
ただ、トランプ政権は軍事的な選択肢そのものを否定しておらず、今後も外交的、経済的な「最大限の圧力」を加えることを強調しており、こうしたことを通じて北韓を非核化に向けた対話の場に引き出す狙いがあるものとみられています。