康京和(カンギョンファ)外交部長官は現地時間の26日、スイス・ジュネーブで開かれた国連人権理事会で演説し、「2015年の韓日合意では慰安婦問題は解決できない」と述べました。
2015年12月の韓日合意以来、韓国政府が国連など国際舞台で慰安婦問題に言及したのは初めてです。
康長官は、「慰安婦問題を解決しようとする努力で被害者中心のアプローチが欠如していたことを認める。韓国政府は被害者の傷を癒やし、尊厳と名誉を回復させるため被害者、家族、市民団体と協力する」と述べました。
康長官はまた、「過去の過ちが繰り返されないよう、現在と未来の世代が歴史の教訓を学ぶようにすることが重要だ」と強調しました。
ただ、日本との関係に配慮してか、日本を名指しすることはありませんでした。
一方、北韓に対しては、核とミサイルを放棄し、住民の人権状況を改善するよう求めました。ただ、北韓の人権問題を厳しくは批判せず、ミサイルの開発中止要求も国連が採択した決議案の内容を超えることはなく、南北関係改善の機運が高まっていることを意識したものとみられます。
康長官はさらに、去年、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣・弾劾を訴え、罷免に追い込んだ市民らによる「ろうそく集会」や、多くの国で広がっているセクハラを告発する「Me too(私も)」運動を紹介し、女性の人権保護・向上や平時・戦時における女性への暴力の撲滅に向けた国際社会の努力にも積極的に貢献していくと表明しました。
一方、ジュネーブ駐在の伊原純一日本大使は、康長官の慰安婦についての発言について、「慰安婦問題は日韓合意で解決を確認した」と強調し、「到底容認できない」と抗議しました。