韓国で社会的にセクハラや性犯罪の被害を告発する「Me too(私も)」運動が広がるなか、忠清南道の安熙正(アン・ヒジョン)知事(52)の女性の政務秘書が、安氏に性的暴行を受けたと5日に告白し、波紋が広がっています。
女性は5日、総合編成チャンネル・JTBCのニュース番組に出演し、安氏から去年6月から8か月間、4回にわたって性的暴行を受けたと主張しました。複数のセクハラ行為もあり、主に海外出張の際に被害を受けたということです。
女性は去年4月から随行秘書を務め、今年はじめに政務秘書になっています。
女性は、「安知事は、Me too運動が社会的な問題になっていた先月、『傷つけたことに気付いた』と謝罪したが、その日も性的暴行が行われ、これ以上は耐えられないと判断した」としています。
これについて安熙正氏の秘書室は、「不適切な性的関係は認めるが、合意の上での関係だった」と釈明しました。ところが、安熙正氏はそのあと、フェイスブックに「合意の上での関係だったという秘書室のコメントは間違っている。きょう付けで知事職を退き、一切の政治活動を中断する」と明らかにしました。
安氏はこの報道の直前、あるイベントで「Me too運動」を支持する発言をしています。
安知事が所属する「ともに民主党」は5日夜、緊急最高委員会を開き、安熙正氏に対する離党・除名措置手続きを進めることにしました。
女性は6日、安氏を性的暴行の疑いで検察に告発するとしています。
安氏は若者を中心に高い人気を博しており、与党の次期大統領候補の一人としても名前が挙がっている人物で、今後、与党内の力関係にも大きな変化が予想されます。