北韓は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使として北韓を訪問した鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長ら特使団を歓待し、南北関係や米朝関係の改善に向けた強い意志を示すものと受け止められています。
特使団が平壌(ピョンヤン)入りした5日3時40分ごろ、特使団の北韓での日程について南北間で協議が行われ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は5日午後6時から韓国側の特使団との会談に応じるという破格の対応をみせました。
また、会談と夕食会は、朝鮮労働党本部にある「ツツジ館」で4時間12分にわたって行われ、金委員長の妹・与正(ヨジョン)氏や妻の李雪主(リ・ソルジュ)夫人も同席するなど破格の歓待でした。
韓国政府関係者が党本部を訪れるのは初めてです。
さらに、北韓の朝鮮中央テレビは5日、特使団の北韓入りを異例の迅速さで報道したほか、朝鮮労働党の機関紙・労働新聞は6日、金正恩氏が韓国首席特使の鄭義溶氏の手を握って破顔一笑する姿や正恩氏夫妻らと特使団が夕食会で歓談する様子などを伝えています。
大統領府青瓦台の報道官によりますと、「北韓側の出迎えや警護、宿所の準備状況などから北韓が特使団の受け入れのため多くの準備をしたことが伺える」と特使団が伝えてきたということです。
青瓦台の関係者は、「北韓は最大の歓待をしている。金正恩氏は南北関係や米朝関係の改善に向けた強い意思を示したものと解釈できる」としています。