文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北韓に派遣した特使団が、南北首脳会談の実現などを含む南北合意を伝えたことについて、最大野党の自由韓国党は、6日、北韓の「平和攻勢」の可能性もあるとし、北韓の韓半島非核化に対する本当の思惑を確かめる必要があるという立場を示しました。
これは、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が韓半島非核化への意思を示してはいるものの、「北韓に対する軍事的脅威の解消」、「北韓の体制保障」などの条件を示しているためだということです。
自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表は、 文在寅政権のこれまでの対北韓政策について「北韓が核開発技術を完成する時間を与えるだけだ」と批判してきました。
自由韓国党の北核廃棄特委の委員長を務める金武星(キム・ムソン)議員も北韓がこれまで合意した1991年の韓半島非核化約束、1994年の米朝枠組み合意、2006年の寧辺(ヨンビョン)核施設稼動中止などが結局偽りだったように、今回も「偽りのメッセージ」を発信しておいて、対北韓制裁から逃れるための時間稼ぎを試みている可能性があると分析しています。
自由韓国党の立場では、北韓が「条件のない非核化」を示さない限り、「挑発と報酬」という悪循環が続く恐れがあり、韓国国内での分裂をもたらし国際社会の協力体制を崩す「偽りの平和攻勢」である可能性があるとみられるということです。
このことから、自由韓国党は、政府に対し、北韓が本当に非核化の意思があるという真意が確認できるまでは、断固たる安全保障体制を維持するよう促しました。
しかし、党内の一角では、「南北合意通りに実現できれば、期待以上に前向きな成果で歓迎すべき」、「韓半島の危機を打開しようとする文在寅政権の取り組みについては、ポジティブに受け止めるべき」という評価も出ています。