韓半島情勢が一大転機を迎えています。
韓国の特使団が、アメリカのトランプ大統領に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長からの会談を提案するメッセージを伝え、これに対してトランプ大統領が5月中に会談すると応じたことで、4月末に南北首脳会談が、5月中に米朝首脳会談が行われる可能性が高くなりました。
敵対する国同士の首脳会談は、「関係の正常化」を意味するとされています。
そこで注目すべきは、トランプ大統領が恒久的な非核化達成を金委員長との会談の目標に掲げたということです。
憲法にまで核の保有を明記した北韓が、条件なしに非核化に応じる可能性は極めて低く、アメリカが要求する完全な非核化と、北韓が要求している米朝関係の正常化、終戦宣言、韓半島の平和体制の構築、経済支援などのやり取りが行われる可能性が高いとみられます。
何より、北韓が、非核化への意志をどのように信頼できる形で示すかが、注目されます。
専門家は、「今後行われる米朝対話で、北韓が提示する非核化に向けた具体的な措置が、単なる『凍結』にとどまるか、それとも『完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄』になるか、北韓の体制保障の要求に韓国駐留アメリカ軍の撤退が含まれるかなどが大きな鍵となる」と指摘しています。
平昌冬季オリンピックをきっかけに始まった韓半島の平和定着に向けたプロセスの舵を取ってきた韓国政府の役割が、今後さらに問われそうです。