韓米FTA=自由貿易協定の見直しに向けた交渉の第3回会合が現地時間の15日、アメリカ・ワシントンで開かれ、韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉室長、アメリカ通商代表部(USTR)のビーマン通商代表補がそれぞれ首席代表として出席しました。
今回の交渉ではアメリカによる鉄鋼輸入制限の対象から韓国を除外するための交渉も行われ、韓国側はアメリカの鉄鋼輸入制限の不当性を強く訴えたとされています。
トランプ大統領は今月上旬、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を正式決定し、鉄鋼には25%の関税を23日から課す方針で、鉄鋼関税をてこに韓米FTA交渉を有利に運ぼうとしているものとみられています。これに対し、韓国は、韓米FTAの利益バランスを確保するとしており、激しい綱引きが予想されます。
これに先立って、トランプ大統領は、交渉開始前日の14日、ミズーリ州で開いた支援者との集会で演説し、韓国の対米貿易黒字に不満を表明するとともに、韓国駐留アメリカ軍の撤退を示唆したとも受け取れる発言をしたと、アメリカのワシントンポスト紙が15日、伝えました。
この中でトランプ大統領は、韓国について、「われわれは巨額の貿易赤字を抱え、韓国を防衛している。貿易でも軍でもカネを失っている。韓国には3万2000人の米兵がいる。どうなるか見てみよう」と述べたということです。
今回の発言は韓米FTA協定の見直しに向けた交渉を安全保障と関連させ、強い姿勢で話し合いに臨む姿勢をアピールする狙いがあると受け止められています。
ワシントンポスト紙の報道について、アメリカ政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ」は16日、ホワイトハウスは「トランプ大統領はそのような発言をしていない」と否定したと、伝えました。