トランプ大統領が韓国に対し鉄鋼の輸入制限の適用を猶予することを決めましたが、それと引き換えに韓米FTA=自由貿易協定の交渉で韓国の譲歩を引き出そうとするとみられ、韓国政府の巧みな対応が課題となっています。
産業通商資源部が23日に明らかにしたところによりますと、アメリカ政府は、韓米FTAの見直し交渉の結果次第で、韓国を鉄鋼関税対象国から除外することもできると表明しています。
アメリカは、関税適用除外と引き換えに韓米FTAの見直し交渉で韓国の譲歩を引き出そうとするものとみられています。
アメリカは、韓米FTAの見直し交渉で、最大の関心分野である自動車について、さらなる市場開放を求めているもようです。自動車は部品産業などへの波及効果が大きく、アメリカの要求をすべて受け入れた場合、鉄鋼関税を避けようとして、より大きな損失を被るおそれがあると指摘する声が上がっています。
アメリカは、EU=ヨーロッパ連合に対しても鉄鋼関税の適用を猶予するとしていますが、それと引き換えに、中国との貿易戦争に参加するよう求めています。
アメリカはEUに対し、▲鉄鋼とアルミのアメリカ向け輸出を2017年並みに抑えること、▲貿易を歪曲する中国の様々な政策について積極的に問題提起すること、▲中国をWTO=世界貿易機関に提訴するアメリカの動きに協力することなどを求めています。
仮に、アメリカがこうしたことを韓国に対して求め、これを韓国政府が受け入れた場合、中国との通商摩擦は避けられないとみられており、今後、アメリカとの交渉をいかにうまく運んでいくかが課題となっています。