中国、アメリカ、EU=ヨーロッパ連合、日本の4大市場への韓国の輸出競争力が低下したという見方が出ています。
韓国貿易協会の国際貿易研究院は、4日にまとめた報告書で、去年、韓国の輸出は、中国、アメリカ、EU=ヨーロッパ連合、日本の4大市場でいずれも増加したものの、輸出競争力は、低下または横ばいとなったと明らかにしました。
輸出の増加を、競争力、商品構成、需要の3要素で分析した結果、中国とアメリカへの輸出の増加は、需要の拡大によるもので、製品の競争力は、むしろ輸出の減少要因となったということです。
中国への韓国の輸出は11.7%増えましたが、競争力は4%低下し、アメリカへの輸出は1.8%増えましたが、競争力は1.6%低下しました。
これに対して、アメリカ、ドイツ、日本は、中国市場での競争力が向上していて、アメリカ市場でも、韓国だけが競争力が低下しています。
この報告書は、「中国とアメリカ市場で新興国だけでなく日本、ドイツなど先進国の競争力も改善していることを考えると、韓国の輸出競争力の低下は、グローバルな流れではなく、韓国だけの問題による可能性が高い」と指摘しています。
品目別には、海外生産の拡大や競争の激化などによって、ディスプレイや携帯電話で、輸出競争力の低下が目立っています。
日本市場では、農水産物や半導体などの競争力は改善しましたが、携帯電話や自動車などは低下し、全体の輸出競争力に大きな変化はありませんでした。