三星電子とアメリカのアップルや中国の華為(ファーウェイ)などとの知識財産権紛争が相次いでいる中、ここ数年間三星電子がアメリカで特許を集中的に取得していることが分かりました。
三星電子は、メモリや半導体などの分野での圧倒的な技術力や世界貿易機関(WTO)の情報技術協定などに守られ、関税の壁からは逃れているものの、今後アメリカなどが特許紛争などによる間接的な通商圧迫を仕掛けてくる可能性が高くなっているため、これに備えた動きとみられます。業界で13日に明らかになったところによりますと、三星電子が世界各国で保有している特許は、去年末現在11万9337件と集計されました。
特許登録先の国別には、アメリカが4万6150件で最も多く、次に韓国が2万4860件、ヨーロッパ1万509件、中国1万1005件、日本7086件、その他9727件でした。特にアメリカでは、去年の1年間計6072件の特許を取得し、史上最多を更新しました。これにより2006年から12年連続でIBMに次ぎ2番目に多くの特許を取得している企業となりました。アメリカでの特許登録の累計では、2009年に2万2513件だったのが2017年には4万6150件に上り、8年で2倍以上増加しています。
三星電子は、これについて「アメリカでの特許紛争に有効に対応するためである。ほとんどが、スマートフォン、スマートテレビ、メモリ、システムLSIなどにかかわる特許で、事業保護だけでなく競合他社へのけん制の役割もある」と説明するとともに「未来の新技術にかかる特許を確保することで、今後新規事業に進出する際役立てることもできる」と付け加えました。