米朝首脳会談を前に北韓が強硬姿勢に転じるなか、アメリカのトランプ大統領は現地時間の17日、北韓が反発する、見返りより核放棄を先行させる「リビア方式」を北韓に適用しないと述べました。
トランプ大統領が17日、アメリカ・ホワイトハウスで記者団に対して述べたものです。
このなかでトランプ大統領は、核開発放棄後に崩壊したリビアのカダフィ政権に言及して北韓と比較し、「北韓に対して、我々は‘リビア方式’の適用を全く考えていない。我々はリビアを完全に破壊した。米朝会談で結果が出れば、我々はいい関係になるだろう。そして金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長は、とても強い保護を得ることになるだろう」と明言し、米朝首脳会談が成功裏に行われた場合、北韓に体制保証を与える意向を示しました。
トランプ大統領が北韓の体制保証を明言したのは初めてです。
強硬派として知られるボルトン大統領補佐官が「リビア方式」の北韓への適用に意欲を示し、北韓が反発していましたが、トランプ氏が事態の沈静化を図ったものと受け止められています。
ただ一方で、アメリカとの合意を拒めば北韓は「破壊」される可能性があるとも警告しました。
来月に予定されている米朝首脳会談については、北韓の高官が見直す可能性に言及していますが、トランプ大統領は「我々はいま彼らと交渉中だ。もし会談を行わないとすれば、それは興味深いことだ」と述べ、会談の開催に前向きな姿勢を示しました。