旧日本軍慰安婦問題をめぐって、国連人種差別撤廃委員会が30日、日本の人権状況を審査した報告書を発表しました。
報告書は、慰安婦問題への日本政府の対応が「被害者中心ではない」と指摘し、「懸念している」と表明しました。
なかでも、「2015年の韓日合意は、生存している慰安婦被害者の意見が十分反映されず、被害者の人権侵害に対する日本の責任を明確に認めなかった」と指摘しました。
報告書は、日本政府に対して、人権侵害の責任を認め、被害者中心の持続的解決策を保証するよう勧告しました。
4年ぶりとなる日本に対する審査は、今月16日から行われてきましたが、審査の過程でも、韓日合意について、「被害者を慰め、日本の責任を認めるのに失敗した」と指摘し、日本政府の謝罪と賠償を促す意見が出ていました。
これに対して日本政府側は、「次世代に引きずらないことが重要だ」として、韓日合意で解決済みとの立場を改めて示しました。
人種差別撤廃委員会は、人種差別撤廃条約の締約国に対して、条約の履行状況を定期的に審査し、措置が必要な場合、勧告を行っています。
勧告は、法的拘束力はありませんが、勧告を受けた国は、次の審査までに対応措置を報告しなければならず、日本政府がどのような対応を取るかに関心が集まっています。