文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会での基調演説で韓国の大統領としては初めて、旧日本軍慰安婦の問題に言及しました。
文大統領は現地時間の26日、ニューヨークで開かれた国連総会で基調演説し、「韓国は旧日本軍による慰安婦の被害を直接経験した。国際社会の女性、平和、安全に関する協議に積極的に参加し、紛争下の性暴力を根絶するための国際社会の取り組みにも協力する」と述べました。
国連総会の基調演説で韓国の大統領が旧日本軍慰安婦に言及したのは初めてです。
実質的な性平等の実現や世界人権宣言70周年について説明しながら、女性へのあらゆる差別や暴力に断固として対応するという趣旨の発言のなかで言及しましたが、慰安婦問題では、被害者の立場が重要だという基本原則を浮き彫りにする狙いがあったとみられています。
朴槿恵(パク・クネ)前大統領も、2014年9月の国連総会での演説で、「戦時の女性に対する性的暴力は時代や場所を問わず、人権と人道主義に反する行為だ」と述べ、韓国の大統領として初めて、遠回しながら慰安婦問題を提起しましたが、直接の言及はしませんでした。