韓国とアメリカの国防当局が、韓国軍の戦時作戦統制権をアメリカ軍主導の韓米連合軍から韓国軍へ移管するための準備を加速させています。
鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官とアメリカのマティス国防長官は、現地時間の31日、ワシントンで韓米定例安保協議を開き、戦時作戦統制権の韓国への移管など、両国の国防分野の懸案について議論します。
協議では、戦時作戦統制権の韓国への移管後に、韓国軍が主導する連合軍司令部を創設する案に合意するものとみられています。
連合軍司令部の創設をめぐって、韓米は、移管後に今の韓米連合軍司令部に似た形態の連合軍司令部を創設し、韓国軍の大将が司令官、アメリカ軍の大将が副司令官に就く案に合意するとみられています。現在の連合軍司令部は、アメリカ軍大将が司令官、韓国軍大将が副司令官を務めています。
韓米は2014年の定例安保協議で、韓米連合防衛を主導できる韓国軍の軍事能力の確保など3つの条件が満たされた場合に戦時作戦統制権の移管を行うとの原則に合意しています。
韓米は、戦時作戦統制権の移管に備え、韓国軍主導の連合作戦遂行能力を評価する初期運用能力(IOC)の検証を来年から実施することについても協議中とされています。これに続いて行われる段階別の検証作業がスムーズに進めば、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内に戦時作戦統制権の移管が可能という観測も出ています。
協議では、また、韓半島の軍事的緊張の緩和に向けて、南北が「板門店(パンムンジョム)宣言で結んだ軍事合意書を効果的に履行する方法についても議論するものとみられています。
軍事合意書をめぐっては、韓米の間で温度差があるのではないかという見方があり、こうした懸念を払拭するために、マティス長官が軍事合意書への支持を公に表明する可能性も注目されています。