2016年4月の総選挙で朴槿恵前大統領が当時与党だったセヌリ党の候補推薦に介入したとして公職選挙法違反で起訴された事件で、ソウル高等裁判所は21日、一審と同じく懲役2年を言い渡しました。
検察は一審の量刑が軽過ぎるとして控訴していましたが、ソウル高等裁判所は量刑を上げるほどの特別な事情は見当たらないとして、一審判決と同じ2年の懲役を言い渡しました。
朴槿恵被告側も「一審判決は事実関係を誤認している」として控訴していましたが、裁判部はこうした主張について、「記録を綿密に検討したところ一審判決を覆すような事実はない」としました。
7月の一審判決は、「個別の実行行為に直接加担しなかったにしても候補推薦の過程で共謀した事実が十分認められる」として、懲役2年を宣告しました。
朴槿恵被告は2016年の総選挙を控えて、朴槿恵被告に近いいわゆる「親朴リスト」を作成、大統領府青瓦台の行政官に朴槿恵被告に近い政治家の選挙戦略を練るよう指示するなど、候補推薦の過程に介入したとして選挙法違反で起訴されました。
これで朴槿恵被告に宣告された量刑の合計は懲役33年となりました。
収賄や職権乱用の罪で起訴されて二審で懲役25年が宣告された事件は大法院に係留中で、情報機関の国家情報院から多額の裏金を受け取ったとして収賄や国庫損失の罪に問われた事件は一審で懲役6年が宣告され、控訴審の審議が進められています。