韓国海軍の艦艇が日本の海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射したとされる問題で、韓国と日本の国防当局は、自らの主張を裏付けるための動画の外国語版を相次いで公開し、対立がエスカレートしています。
韓国国防部は7日午後、日本の主張に反論するために作成した動画の外国語版を新たに公開しました。公開されたのは日本語、中国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語版で、内容は4日に公開された韓国語・英語版と同じく、海上自衛隊が撮影・公開した現場映像に反論の字幕をつけたものです。
日本の防衛省は先月28日、英語の訳をつけた映像を公開したのに続き、今月7日には韓国語版を新たに公開しています。
韓国海軍の駆逐艦と海上自衛隊の哨戒機は去年12月20日午後、韓半島東の海で遭遇。日本側は、海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍から火器管制レーダーの照射を受けたと主張しています。
これに対し、韓国側は、レーダーの照射を否定する一方、遭難漁船の救助中だった駆逐艦に哨戒機が異常接近してきたとしています。
韓日とも、動画を通じて自国の立場を積極的にアピールし、国際社会の世論を味方につけたい思惑ですが、明確な物的証拠は示しておらず、主張合戦の色合いが強くなっています。
これについて、軍事・外交を担当していた韓国のある予備役将校は、「誤解を解くためには、両国の国防当局者が前に出る必要がある。政治家が介入し始めると、事態がこじれる可能性が高い」と指摘しています。