新年を迎えても、対立が深まるばかりの韓日関係。様々な要因から、ことし上半期中の関係改善は、難しいという見方が出ています。
韓国と日本はことし、過去の歴史を踏まえて新たな時代の構築に向けた取り組みを行っています。
韓国にとっては、ことしは、日本植民地時代の「3.1独立運動」や臨時政府樹立から100周年という節目の年であり、日本も、1989年1月8日から始まった平成の時代を終えて、新たな出発を祝う年となります。
いずれも新たな時代を築こうとしている文在寅(ムン・ジェイン)政権と安倍政権だけに、韓日間の衝突は避けられないとみられます。
文大統領と李洛淵(イ・ナギョン)国務総理は10日、 韓国大法院の元徴用工への損害賠償判決に対する日本政府の反応について批判の声を強めましたが、これも、こうした状況を意識したものと言えます。
韓国にとって、もっとも大きな懸念材料は、日本の憲法改正です。
憲法改正が実現すれば、韓日関係だけでなく、北東アジア情勢が大きく揺れ動く可能性があると見ています。
最近、日本は中国との関係改善に取り組んでいますが、安倍政権としては、影響力の大きい中国やロシアに重点を置くはずです。
外交専門家らは、こうした状況で、日本が韓国にまで配慮するのは容易でないと、話しています。
韓国政府も、日本が請求権協定にもとづいて要請した2国間協議に簡単には応じないとみられます。
外交当局者は11日、「韓国政府が控え目の反応を示すことが、長期的には国際社会の信頼を高めることにつながる」という見方を示しました。
日本も、韓国が協議に応じない場合に備えて、調停や国際司法裁判所への提訴などの準備を進めています。
こうしたなか、両国関係に唯一前向きな材料となるのは、ことし6月に大阪で開かれるG20=主要20か国首脳会談です。
G20首脳会議で両国の冷え込んだ関係を表に出すのは、議長国の日本としては避けたいことでしょう。
こうしたことから、下半期には両国関係が改善する可能性があるという期待の声も出ています。