日本企業への賠償命令が確定した元徴用工訴訟をめぐって、韓国の外交当局が韓国政府と韓日両国の企業が参加する「被害者支援基金」の設立を検討しましたが、大統領府青瓦台の反対で検討を中断したと、韓国の保守系日刊紙・朝鮮日報が26日付けで報じました。
それによりますと、最近、韓国外交当局は「迅速な賠償のためには、わが政府と1965年の韓日請求権協定で恩恵を受けた韓国企業、それに日本企業が参加する基金の設立が代案になりうる」という趣旨の意見を青瓦台に伝えたところ、青瓦台は「わが政府が乗り出す問題ではない」と強く反対したということです。
ソウルの外交筋によりますと、これは、公式な提案ではなかったものの、韓日外交当局間では、基金設立に関する対話が進み、一定の共通認識が形成されていたということです。
しかし、その後、基金設立に関する対話は中断されたもようで、スイスのダボスで23日に行われた韓日外相会談で、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は、河野太郎外相に「日本企業が判決結果に従うのが、原則にかなう」と述べたということです。
一方、青瓦台は26日、こうした報道と関連して、韓国政府と韓日両国の企業が参加する「被害者支援基金」を設立するという構想は「非常識的な発想で、韓日両国が意見を交換をしたこともない」と全面否定しました。