文在寅(ムン・ジェイン)大統領は29日ソウル市内の病院を訪れ、28日に亡くなった元慰安婦被害者金福童(キム・ボクドン)さんを弔問しました。
慰安婦被害者の死去を受けて文大統領が直接、弔問するのは、就任以来、これが初めてです。
金さんは、1992年3月に慰安婦だったことを公表し、翌1993年にオーストリアで開催された世界人権大会で自身の被害の実態を明らかにして以降、世界各地で証言活動を続け、戦時性暴力の根絶を訴える活動も行ってきました。
しかし、金さんは、およそ1年におよぶ癌闘病の末、28日夜、93歳で亡くなりました。
文大統領は、金さんの遺影に対して正座でお辞儀したあと、関係者らを慰めました。
文大統領は弔問に先立ち、フェースブックで、「金さんは、被害者にとどまらず、日帝の蛮行に対する謝罪と法的賠償を求めるなど、先頭に立って歴史を正す活動を行った。金さん、安らかにお眠りください」と悼みました。
そして、「歴史をしっかり正すことを忘れない。生存者23人のためになすべきことをなす」と強調しました。
文大統領は去年1月、この病院に入院していた金さんを見舞っています。