元慰安婦被害者の象徴的存在として、2015年の慰安婦をめぐる韓日合意にも反対してきた故金福童(キム・ボクドン)さんの告別式が1日、ソウルの日本大使館前の路上で行われました。
金さんの遺体をのせた霊柩車は1日午前6時半、遺体安置所の病院を出発して、金さんが生前暮らしていた支援団体の施設「平和のわが家」に立ち寄り、午前7時20分ごろ、告別式が行われる都心のソウル広場に向かいました。
告別式は午前8時30分から始まり、霊柩車は、光化門(クァンファ)門、地下鉄安国(アングク)駅を通り、日本大使館前に向かい、中高生や大学生、女性団体らが日本政府に謝罪と賠償を求める金さんの生前のメッセージが書かれたのぼりを手にして、後に続きました。
霊柩車は午前10時30分、日本大使館近前の路上に止まり、全員で黙禱(もくとう)し、弔辞が読み上げられました。
日本大使館前の路上は、毎週水曜日に日本政府に公式な謝罪と法的賠償を求める「水曜集会」が27年間、開かれてきた場所です。
金さんも体調を崩すまで、集会に参加し、真の謝罪や賠償の実現、そして、韓日合意の破棄を訴えてきました。
金さんは、旧日本軍慰安婦の被害者のための特別墓地と追悼碑が設けられた忠清南道(チュンチョンナムド)天安(チョンアン)の「国立望郷の丘」に葬られます。
金さんは、1992年3月に慰安婦だったことを公表し、翌1993年にオーストリアで開催された世界人権大会で自身の被害の実態を明らかにして以降、世界各地で証言活動を続け、戦時性暴力の根絶を訴える活動も行ってきました。
しかし、金さんは、およそ1年におよぶ癌闘病の末、先月28日夜、93歳で亡くなりました。