韓国でPM2.5=微小粒子状物質の濃度が観測史上最悪を記録するなど、大気汚染が深刻化しているなか、中国政府は、韓国国内でPM2.5の中国からの流入が問題視されていることについて、中国の責任論を否定しました。
中国外務省の陸慷報道官は、6日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がPM2.5の対策案を中国と共同で進めるよう指示したことについての質問に「韓国の粒子状物質が中国からきたものであるかについて十分な根拠があるのか分からない」としたうえで「ここ2日間、北京の粒子状物質はソウルほど深刻ではなかった」と話し、いわゆる「中国責任論」を否定しました。
しかし、汚染物質の長距離移動には時間がかかるうえ、北京では2日から4日にかけて大気汚染で「オレンジ警報」が発令されていたことや、5日の午前までPM2.5の濃度が1立方メートル当たり200マイクログラムを上回っていたことから、陸慷報道官の発言は、中国の責任論を否定する根拠として十分ではないという見方も出ています。
一方、中国政府は、以前も中国の責任論を否定しています。中国の生態環境省は1月に「他人のせいにばかりしていると、粒子状物質を低減させる絶好のチャンスを逃しかねない」とし、韓国は自ら粒子状物質の管理に取り組むべきだと不快感をあらわにしました。