メモリー以外の半導体で世界市場への攻勢をかけるため、韓国政府とサムスン電子が手を組むことになりました。
政府は先月中旬、メモリー以外の半導体産業の育成計画を発表しました。
メモリーに偏っている半導体の産業構造から脱し、2030年までにメモリー以外の半導体を含む「総合的な半導体強国」に飛躍することを目指しています。
半導体産業は、データーを保存するメモリー部門と、データーを処理するメモリー以外の半導体部門に分けられ、メモリー以外の半導体部門の市場規模は、メモリー部門のおよそ1.5倍に上ります。
しかし、メモリー以外の半導体部門での韓国企業の世界シェアはこの10年間、3%台にとどまっています。
これに先立ち、サムスン電子は、2030年までにメモリー以外の半導体でも世界トップを目指して、133兆ウォンを投じる方針を打ち出しています。
このため、サムスン電子が先頭に立って投資を行い、政府がインフラを支援する形となりました。
政府はAI=人工知能、自動車、バイオなどに活用される次世代の半導体の開発に向こう10年間で1兆ウォンを投じるとしています。
一方、サムスン電子は30日、ことし1月から3月期の業績を発表しましたが、営業利益が前の年の同じ期間に比べて60%も減少しました。
メモリー半導体に偏っている事業構造のため、メモリー景気の低迷の影響を受け、業績が大きく落ち込んだとみられます。
こうしたなか、文大統領は30日、サムスン電子の半導体工場を訪問しました。
文大統領はこの場で、韓国企業がメモリーだけでなく、メモリー以外のシステム半導体でも世界トップを目指してほしいと述べ、これに対して、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長は、「1位になる」と応じました。
しかし、政府とサムスン電子が手を組んで、メモリー以外の半導体を育成する戦略については、否定的な見方も少なくありません。
現在、韓国サムスングループの医薬品受託製造会社サムスンバイオロジクスの粉飾会計問題で、検察の捜査が進められているうえ、前政権のときの贈収賄事件で李副会長に対する韓国の最高裁判所、大法院の判決が近く、行われるというタイミングでの展開であるためです。