北韓は、「クリスマスプレゼント」と称して、アメリカへの挑発や圧力を高めてきましたが、現時点では軍事的な動きは確認されていないことが分かりました。
非核化交渉の期限を自ら年末と定めていた北韓は、今月3日、「クリスマスプレゼントに何を送るかは、アメリカの決断にかかっている」としてアメリカを挑発したほか、その後2回にわたりミサイルエンジンに関連したと思われる「重大な実験」を行っています。
これに加え、北韓は、党の中央軍事委員会を開き、自衛的国防力の強化を強調していたため、最悪の場合、クリスマスプレゼントとしてICBM=大陸間弾道ミサイルを発射する可能性があるとの観測も出ていました。
これを受け、韓国とアメリカの軍当局は、北韓の挑発に備え、北韓全域を精密に監視し、大統領府青瓦台も北韓の動きに注視していましたが、これまでのところ軍事的な挑発の兆候は確認されていないということです。
朝鮮中央テレビや労働新聞など北韓メディアが伝えた北韓内部の様子も普段と変わらないとされています。
15日以降10日間、北韓の談話が発表されなかったのを受け、北韓がアメリカの動きを見極め、政策を決めるための議論を行っているとの見方もあります。
これと関連し、北韓がアメリカに圧力を加えることで対話のモメンタムを損ねる恐れがあることや、中国とロシアが国連安保理に対北韓制裁の緩和に向けた決議案を提出していることを配慮している可能性が高いとの分析もあります。
注目されるのは、今月末までに開かれる予定の党の中央委員会総会で、北韓がどのような重要政策を決定するかです。
北韓が、クリスマス期間の軍事挑発を自制した場合、党の中央委員会総会の後に、強硬路線を発表する可能性があるとの観測も出ています。