2014年に起きた旅客船「セウォル号」沈没事故で、救助作業に失敗して多くの犠牲者を出した責任を問い、業務上過失致死傷などの疑いで検察が逮捕状を請求していた金錫均(キム・ソッキュン)元海洋警察庁長など6人について、ソウル中央地方裁判所は9日、逮捕状請求を棄却しました。
ソウル中央地方裁判所は、この6人について、「業務上の過失による刑事責任を負う余地がある」としながらも、逃亡や証拠隠滅のおそれはなく身柄を拘束する必要性は認めがたいと判断しました。
検察は、当時の海洋警察幹部が事故の報告を受けたにもかかわらず、現場の情報収集や救助協力要請など十分な初動対応を取らず、その結果救助が遅れ、大規模な人命被害が出たとみて、今月6日、この6人について業務上過失致死傷などの疑いで逮捕状を請求していました。
検察の「セウォル号惨事特別捜査団」は去年11月に発足しましたが、初めて請求した逮捕状が棄却されたことで、今後の捜査が速やかに行われるのは難しいという見方が出ています。