韓国の男性アイドルグループ、BTS=防弾少年団のメンバーで、最年長のJINが、軍に入隊しなければならない満27歳になり、今年中に入隊するかに関心が集まっています。
一部では、BTSのような韓流スターが入隊して活動を休止すると、世界的な韓流ブームに水を差すとして、入隊を延期できる機会を与えるべきとの主張が出ています。
政府は、こうした芸能界の主張に対し、慎重な姿勢を示しつつ、制度の見直しを検討しているもようです。
政府関係者によりますと、国防部、文化体育観光部、兵務庁は、まだ兵役を終えていない韓流スターに対する海外旅行許可制度の見直しなどについて話し合うということです。
具体的には、文化体育観光部長官の推薦を受けた韓流スターが海外での活動に制約が生じないよう、海外旅行を柔軟に許可する案などが話し合われると見られています。
現行の規定では、満25歳から27歳の兵役未了者は、1回につき6か月以内、合計で2年間の海外旅行が許可されています。
許可を得られる回数は最大で5回までとなっており、28歳になると、病気の治療といった特別な理由がない限り、事実上海外旅行は難しくなります。
海外旅行の許可が柔軟になり、軍に入隊する年齢に達した韓流スターが海外旅行許可を得た場合、入隊も延期される可能性があります。
現行法では、兵役判定検査を受け、入隊対象者となった男性は、大学院に在学している場合27歳まで、博士課程の場合は28歳まで入隊を延期することができます。
現在サーバー大学院に在学しているJINの場合、満28歳になることし12月4日まで入隊しなければなりません。
ただ、法に基づき、入隊通知を受け取っても、病気や天災、入試など、正当な理由があれば、満30歳まで延長申請を5回行うことができます。
制度が見直されれば、韓流スターは、文化体育観光部長官の推薦を通して、25歳が過ぎても、以前より簡単に公演を理由に海外に渡航できるようになります。
ただ、文化体育観光部の要求通りに制度が見直されるかは定かではありません。
芸能人を特別扱いしていると批判される可能性があるため、兵務当局は、制度の見直しそのものに難色を示していると伝えられています。
政府関係者は、「関係官庁の間で議論を始めたばかりで、見直しの方向すら定まっていない」としたうえで、「入隊制度の見直しには、国民のコンセンサスが求められ、公平性を考慮しなければならないため、議論が必要だ」と話しています。