韓国科学技術研究院(KAIST)が、数十回洗っても性能が維持され、一か月以上使うことができるナノ繊維フィルターを採用したマスクを開発したことが分かりました
韓国科学技術研究院によりますと、このマスクのフィルターをエタノールで洗った後、3時間そのままつけてから顕微鏡で観察したところ、フィルターの繊維の配列が維持されていたということです。
また、石けんで数十回洗っても、フィルターの配列が90%以上保たれました。
従来のマスクのフィルターは、静電気を利用して異物を遮断していましたが、湿気に弱く、エタノールで消毒したり水で洗うと、フィルターの性能が維持されませんでした。
しかし、ナノ繊維を使ったフィルターは、従来のフィルターの10分の1のナノ繊維をきめ細かく重ねて異物を遮断するため、洗ってもフィルターの性能が保たれるということです。
そのため、綿マスクに取り付けたフィルターをエタノールで消毒した後乾燥させたら、また清潔な状態で使うことができるということです。
研究チームは、マスクを4000回程度折り曲げても、平均0.6㎛(マイクロメートル)の大きさの微細粒子を80%以上遮断できる「KF80」の効果が維持されるうえ、非常に薄いため、息もしやすいとしています。
また、フィルターの管理をしっかり行えば一か月以上使えるため、資源の無駄づかいとマスクの品薄問題を同時に解決できると期待されています。
研究チームは、食品医薬品安全処の承認手続きが終わり次第、一日あたり1500枚のフィルターを生産できる今の設備をさらに増設する方針です。