北韓が9日正午以降、2年前に初めて設置された南北首脳同士の直通電話を含め、南北間のすべての連絡ルートを遮断すると発表したことについて、大統領府青瓦台は、立場を表明するコメントはせずに、北韓の狙いを分析しながら状況を注視しています。
青瓦台がコメントを控えているため、 南北首脳同士の直通電話が遮断されているかについては確認されていません。
青瓦台はこの問題で、大統領直属の諮問機関で安保・統一外交に関する重要な懸案について議論するNSC=国家安全保障会議の常任委員会は開催せず、国家安保室を中心に対策を議論したということです。
これは国民に不安を及ぼし、北韓には不要なメッセージを与える恐れがあるため、慎重な姿勢を保っているためとみられます。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、2000年6月の南北首脳会談で発表された南北共同宣言から20 周年を迎える今月15日に南北関係に関する考えを明らかにするものとみられています。
統一部によりますと、北韓は9日以降、南北共同連絡事務所の定時連絡をはじめ、軍の通信連絡線などすべての通話に応じていません。
統一部は、「南北間の連絡ルートは、疎通のための基本的な手段だ」として、「南北間の合意に基づき、維持されるべきだ」と強調した上で、引き続き連絡を試みる考えを示しました。
さらに統一部は10日、北韓の体制を批判するビラ散布などを主導したつの脱北者団体を南北交流協力法に違反した疑いで告発することにしました。
一方、外交部は、北韓が連絡ルートを遮断したことについて、「アメリカ側と緊密に対策を協議している」と明らかにしました。
北韓は、脱北者たちが金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を批判するビラを載せた風船を、北韓側に向けて飛ばしたことに強く反発し、9日正午以降、南北間のすべての連絡ルートを遮断すると発表しました。今回の北韓の措置を巡っては、金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が韓国に対し「対敵政策に転換すべきだ」と指示し、連絡ルートの遮断はその「第1段階」だと強調していることから、北韓が、追加の措置をとる可能性があるとみられます。