北韓が、新型コロナウイルスのワクチン候補に対する臨床試験が進めていると主張したことについて、アメリカのCNNは、北韓の主張は疑わしいとして、主張の意図について分析しました。
CNNは現地時間の20日、「感染者なしを主張する北韓がワクチン開発競争への参入を宣伝した理由」という題名の記事を載せました。
北韓の国家科学技術委員会はホームページで、北韓ではすでに自国内のワクチン候補に対する臨床試験が進められていて、現在、人を対象とする3段階目の臨床試験の実施について議論が進められていると伝えました。
これについて、CNNは、「北韓の医療システムは、世界の中でも特に遅れた状況にある。感染者が1人もいないと主張し、経済的にも窮状にある国がなぜ、ワクチン開発に時間と金と資源を割くのか」と疑問を投げかけました。
CNNは、北韓の主張について、ウイルスによる危機を国内の宣伝に利用する意図があると分析しました。
北韓はこれまで、「金氏一家の領導と主体思想の下、北韓は世界的な科学強国へと発展した」と主張するなど、科学技術の発展を国家の宣伝材料として利用しています。CNNは、「ワクチンの開発は、北韓の住民を保護するとしている金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の努力を誇示するのに打ってつけの宣伝道具だ」として、金委員長の立場を強化する機会にしようとする意図と、脆弱な保健水準の中で新型コロナに対する恐怖が複合的に作用したものだと分析しました。