韓国の与野党議員らが、日本、アメリカの国会議員らと10日、オンラインで会議を開き、アメリカ大統領選挙で民主党のバイデン前副大統領が勝利を宣言したことを踏まえ、アメリカ大統領選挙の結果が国際社会に及ぼす影響や3か国の協力について意見を交わしました。
この日の会議には、韓国から与党「共に民主党」から宋永吉(ソン・ヨンギル)議員や金漢正(キム・ハンジョン)議員、最大野党「国民の力」の朴振(パク・ジン)議員、趙太庸(チョ・テヨン)議員が出席しました。
日本からは、自由民主党の猪口邦子(いのぐち・くにこ)議員、山本幸三(やまもと・こうぞう)議員、立憲民主党の中川正春(なかがわ・まさはる)議員らが出席したほか、アメリカからは、今回の大統領選で当選を確実にしたバイデン氏の民主党に所属するマーク・タカノ議員らのほか、共和党議員も出席しました。
特に会議では、アメリカ側から「ここ数年間、歴史問題で韓日関係が悪化の一途をたどったことから、韓日米の安保協力がかつてより弱まっており、これを強化する必要がある」という指摘が出ました。
「伝統的同盟関係」を重視するバイデン氏の立場からは、こうした指摘がでることはある程度予想されていましたが、韓国と日本の議員も韓日関係改善の必要性に共感を示しました。
一方、会議では、バイデン政権が発足しても、アメリカが中国に対して圧力を加える路線は続く可能性が高いものの、トランプ政権で始まった関税をめぐる対立はアメリカ市場にも打撃が大きかっただけに、バイデン政権では見直されるという観測が出ました。
このほか、新型コロナウイルスの対策をはじめ、北韓の核問題に対応するための連携や協力体制の構築が必要だという見解で一致したということです。
会議後、与党「共に民主党」の宋永吉議員は「会議に出席した人たちは、バイデン氏の当選で、アメリカが国際協調主義に回帰することを歓迎する雰囲気だった」と会議の様子を伝えました。
バイデン氏は大統領選の勝利演説で「分断ではなく統合を求める大統領になる」と語っていて、トランプ大統領の「アメリカ優先主義」を排除し、「国際協調主義」の観点から国際社会の中のアメリカの役割と同盟国の戦略的価値を重視するものとみられます。