国民健康保険公団が国内外のたばこ会社3社を相手取り、喫煙が原因で生じた医療費などの損失を賠償するよう求めた訴訟で、ソウル中央地方裁判所は20日、原告敗訴の一審判決を言い渡しました。
健康保険公団は2014年4月、KT&G、フィリップ・モリス・コリア、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)コリアの大手3社を相手取り、総額500億ウォンあまりの賠償を求める訴訟を起こしました。
請求額は喫煙との因果関係が高い肺がん、喉頭がんの患者のうち、喫煙期間が30年を超える人など一部の人に対して健康保険公団が2003年からの13年間診療費として負担した金額となっています。
裁判所はこれに対し、「原告の支出は、被告の違法行為により発生したものではなく、健康保険加入による保険関係によって支出されたものにすぎない」と指摘しました。
また、たばこと病気の因果関係について、「個人の生活習慣や遺伝、環境、職業など喫煙以外の要因によって発病する可能性を排除できない」として、原告敗訴の判決を言い渡しました。
これを受けて、健康保険公団は、「非常に残念な判決だ。控訴する方向で検討している。今後もたばこの被害を訴え続けたい」としています。