韓国を訪れた中国の王毅外相は、文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐官と会談し、アメリカと中国の対立による「新冷戦」に反対する立場を示しました。
中国外務省が28日、ホームページに掲載した報道文によりますと、王毅外相は27日、ソウルで文補佐官と会談し、そのなかで、「新型コロナウイルス感染症は、人類が直面する共通の痛みで、各国の利益が互いに絡み合っていることを改めて示した。一方の利益が他方の損失になるという『ゼロサムゲーム』の考え方では、問題を解決できず、一国主義ではグローバルな挑戦には対応できない」と指摘し、アメリカをけん制しました。
また、「『新冷戦』をあおる行動は、歴史の発展の流れに逆らうものだ。多国主義を守り、協力を強化してこそ、様々な危機や挑戦を乗り越えられる」と強調しました。
韓国については、「互いの発展戦略をつなぎ合わせ、実務的な協力を進めることで、安定的な両国関係を築くことを望む」と語りました。
これに対して文補佐官は、「韓国も多国主義や、対話と交渉による問題解決を支持する」と述べたということです。
また文補佐官は、「韓国はあらゆる形の新冷戦に反対する」としたうえで、韓国の「新南方政策」と中国の「一帯一路政策」をつなぎ合わせ、両国の共存共栄を図りたい考えを示したということです。